へら竿の条件
まず、へら竿のスペックをダイワのへら竿から見てみましょうか。
枯法師(123,000円)
5.4m 103g 先0.8mm チューブラー穂先
ヘラ X(52,000円)
5.4m 115g 先1.0mm チューブラー穂先
波紋J(17,500円)
5.4m 155g 先1.1mm
いずれも、胴調子で、穂先はチューブラー、重さは、値段により、100g~155g。
残念なことは、へら竿には、小継がないということです。
それで、このスペックを参考にしながら、小継のある渓流竿から探してみましょう。
渓流竿は大抵小継で、穂先は、ソリッド、超硬ではチューブラーのことが多いようですね。
軽いものになると、ハリス0.8号が上限のようで、超硬でやっと1.0のものがあります。
いろいろ探してみた結果、ダイワの早春の超硬が目的のスペックに近いようです。
ダイワ 早春 超硬 のスペック (18,000円)
5.2m 127g 先1.1mm ナイロン0.4~1.0 チューブラー穂先 調子7:3
しかも、この竿の調子は7:3で、2段階のズームが可能です。
それで、簡単に計算してみると、一番短くした時、つまり4.2mの時の調子は、6.3:3.7、つまり、約6:4 で本調子に近くなるのです。
高級なへら竿と比べると少し重くなるようですが、鯉にも対応しているという条件を考えるとこれはかなり理想に近いように思われます。何せ、鯉竿になりますと、先1.1mm 200gが普通になりますから。
ちなみに、シマノの天平zzのスペックです。
シマノ 天平zz 超硬 のスペック (17,500円)
5.3m 125g 先0.9mm ナイロン0.2~0.8 ソリッド穂先 先調子
ほとんど同じなのですが、チューブラー穂先とハリス1.0号という点で、ダイワの早春の超硬の方が適しているようですね。というのは、今回の釣りでは、アタリはウキで取るので、竿先で当たりを取るソリッド穂先は必要なく、むしろ鯉の引きの強さに耐える強さが必要なのです。もっとも、天平のカーボンソリッド穂先「タフテック」も魅力なのですが、この場合、目的を最優先しましょうか。
さて、ヘラブナ釣りの場合、ハリスは太くても0.8号を使っているようです。もっとも、巨ベラになると1号以上を使うようですね。60cmの鯉になると、延べ竿で0.8号のハリスではやはり切られる可能性が高いでしょう。もうすでに、0.6号では3度切られました。
とりあえず、ハリス0.8号か1号でやってみながら調整してゆきましょうか。それで、60cmの鯉とうまく格闘できれば良いのですが、・・・・・。
へら&鯉釣り-延べ竿の結果
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7月16日 (流れ無し)ヘラブナを6匹釣り上げた。しかし、大物らしきものに2匹逃げられる。それで、ハリスを1号に変更することにする。
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7月24日 (流れ無し)ヘラブナを1匹(29cm)釣り上げた。今回、針を5号から7号に大きくしたが戻したほうがよさそうだ。浮きがなじんでからのツンアタリが分かるようになった。
7月25日 (流れ無し)ヘラブナを1匹(30cm)釣り上げた。そして、大物らしきものにハリスを切られた。やはり、針は7号、ハリスは1号で大物を狙うという初心がよみがえる。合わせ切れがないように上達しないとだめかな。
2015年4月20日 川の水位が上昇していることに気が付いた。いよいよこの川に釣りのシーズンが到来した。
慣れているせいか、リールの方が面白い。まずは、リールではじめよう。
両グルテンを使った底釣りで、「上バリトントン」をマスターしようと試みています。 ただ、底は平坦でなく、障害物もいろいろあります(しかし、こうしたところほどいいポイントのようだ)。
そうした中で、少し深めにウキがなじむ場所があり、そこにうまく届くとアタリがでやすいようです。それで、この場所で「上バリトントン」を実現させようと思います。しかし、なかなかエサ落ちの変化を出すのは難しいようです。
底釣りの場合、「上バリトントン」よりも浮かすことはないようですから、深めのポイントで合わせるというのは良い考えのようですね。
ヘラブナを釣り上げる時、糸と竿にかかる力に関係する要素は幾つかあります。
(1)魚の重さ
(2)魚が頭を振って暴れる力
(3)魚の引く力(推進力)
(4)釣り人の力
魚の重さはいくらあっても水中では0に近いはずです。そして、引き上げる時は網を使います。よって、釣り人が早い勢いで釣り上げるのでない限り、魚の重さは関係ないはずですね。F=ma の法則から、mが大きくてもa(加速度)が小さいなら、Fはいくらでも0に近づけることができます。
しかし、魚が頭を振って暴れる時の力はかなり大きく、もし竿の弾力がなかったら、ハリスは簡単に切れてしまうことでしょう。仮に、魚が頭を振る範囲が60度で、体の中心で回転するとしましょう。この場合、頭を振る幅は体長の半分、つまり、50cmのヘラブナなら25cmということになります。竿の弾力が25cm以上残っているなら、ヘラブナがいくら暴れても耐えられることになります。
さて、魚の推進力、つまり引く力について考えましょう。しかし、この力についてはあまり知られていないようです。そこで、巨ベラを釣り上げたデータから推測して見ることにしましょう。(⇒ 巨べらンキング)
ハリスの号数 | Kgに換算(ナイロン) | 50cm以上の数 | 最大サイズ(cm) |
---|---|---|---|
0.4 | 0.5Kg | 0 | 46.4 |
0.5 | 0.7Kg | 0 | 47.5 |
0.6 | 0.9Kg | 0 | 46.0 |
0.8 | 1.35Kg | 1 | 50.7 |
1.0 | 1.8Kg | 3 | 51.7 |
1.2 | 2.25Kg | 4 | 51.7 |
1.5 | 2.7Kg | 5 | 53.6 |
この表は「巨べらンキング」の釣り上げた巨ベラとハリスの号数とから作成したものです(2014/7/27)。(ナイロンのハリスの号数を強度に換算⇒ ハリスの号数と強度)
この表を見て分かることはいろいろあると思いますが、50cm以上の巨ベラはハリス0.8号以上で釣れているということです。また、巨ベラを狙うなら1号以上を使ったほうが確率が高そうですね。
また、ハリスの号数をKgに換算することにより、50cm以上のヘラブナは1Kg以上の引きの力を持つということも分かります(この際、ハリスの材質は無視します)。というのは、これらを釣り上げた人々は、最も上手な取り込みを行ったと考えられ、ハリスにかかる力はヘラブナの引きの力だけと仮定できるからです。
さて、最後に、釣り人の力です。水の抵抗は速さの2乗に比例します。加えて、小さな魚でも、すばやく合わせればF=maで、大きな力になります。ですから、強く合わせるとハリスが切れます。しかし、一方、ゆっくり、なおかつ、竿の弾力を生かすなら、ハリスにかかる力は魚の引く力、推進力だけになります。これがもっとも上手な釣り方ということになります。
このもっとも上手な釣り方で行うと、早春の超硬にハリス1号で50cmのヘラブナが釣れるはずです。・・・・・早春の超硬に、ハリス1号で水の入った1Kgのペットボトルを吊り下げてみました。すると、30cm以上の弾力がまだ残っています。そのはずで、ハリス1号は約1.8Kgに耐え、早春はハリス1号まで対応しているからです。それで、弾力を生かした上手な釣り方をすれば、50cmのヘラブナが釣れるはずなのです。